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歯科からジェロントロジーを考える その1

こんにちは!

あおば歯科クリニック 副院長の昆美由子です。

似顔絵副院長

まだまだ朝夕の冷え込みが厳しい日がつづきますが、みなさま風邪など召されていませんでしょうか。

 

皆様はジェロントロジーという言葉をご存知ですか?

恥ずかしながら私は最近になってこの言葉を知りました。

ジェロントロジーとは、人間の老化現象を生物学、医学、社会科学、心理学など多面的、総合的に研究する学問のことで、老人学・加齢学・老年学などさまざまな訳語が充てられています。日本では研究の歴史が比較的浅く、もともとは発達心理学から派生した学問で、老齢化または老いることについて心理学的な立場から考える学問として生まれたそうです。

お口も体の一器官として、加齢とともに現われるさまざま変化と向き合っていかなければならないのが実際です。

加齢とともに、、、という言い方は、私はあまり好きではないのですが、体の抵抗力が低下すると歯周病の進行が加速したり、唾液の分泌量が減少するとお口の自浄作用が低下するので虫歯のリスクが高くなります。虫歯や歯周病という病状がなくても、体の骨の量の減少と同様に歯を支える歯槽骨(顎の骨)が減少することで、歯と歯のすき間が大きくなります。「歯ぐきがやせてきた」と感じている方は多いのではないでしょうか。

それらを体の変化として受け止め、適切な口腔ケアが実践が出来れば問題は大きくならないと思うのですが、歯間ブラシなどの補助器具を使うのがおっくうになったり、使おうと思っても手がうまく動かないと感じる方は多いようです。また磨いていると体や腕が疲れてしまい、はみがきに時間をかける事が難しくなってくるケースもあるようです。

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人生100年という時代を目前に、健康寿命を延ばすには食生活の管理と適度な運動がこれまで以上に重要視される中、お口の健康回復に携わる歯科医療人として何ができるかということを改めて考えさせられます。

せっかく年齢を重ねても、不健康なお口の健康状態で毎日の食事がおいしくいただけなかったらどうでしょう、、、。

歯がグラグラするから硬い物が食べられない。

歯ぐきがはれるからこの歯は使わないように気をつかう。

入れ歯が痛くて食べたいものが食べられない。

などなど、、、日々の皆さまの不快症状を改善するべくつとめておりますが、やはり重症になればなるほど回復はむずかしい。痛感するのは、歯を失って初めてその大切さに気付く方が多いということです。何かあった時だけ歯医者さんに通うという過ごし方では取り返しのつかないことになってしまう可能性があるということを皆さまには分かっておいていただきたいです。

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定年退職後は旅行をするのが趣味だった、という方が患者様の中にも多くいらっしゃいます。そんな方々も、さらに年齢を重ねると出歩くのがつらくなってくるそうで、そうなってくると食べることが楽しみとして残るのだそう。私の田舎の母は畑仕事や山菜採りで山に入ったり、季節ごとに野山歩きをする事が好きな人でしたが狭心症や腰の手術をさかいに長く歩く事が難しくなりました。身の回りのことをする事に不自由はありませんが、前述した患者様たちと同様に食生活に楽しみを見いだしている一人です。小さな部分入れ歯を作ってもらったけれども異物感が気になるのと、残っている歯でなんとか食べられるとのことで、今は使っていないのだとか。やはり自分の歯に勝るものはないのですね。

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「自分のの歯で食事ができる」当たり前のようで当たり前ではない方が多い現状は超高齢化社会を迎えた今、憂慮すべきことです。平均寿命は伸びているのに対し、自分の歯を守る・自分の歯で食べるという意識が追いついていない現状があるのだと思います。これは歯科医療界からの啓発がまだまだ弱いのでしょう。また、インプラント義歯などの普及から自分の歯を失うことに対しての危機感が薄らいでいるのではないかと危惧せざるをえません。

健康寿命を延ばそうと思ったら、口は食の入り口・第一の消化器官と考え、その健康維持管理に努めることが必要でしょう。不自由なく食事ができるお口の健康があってこそ、クオリティーオブライフの向上につながるのです。何かあった時だけ歯医者さんに行くのではなく、お口の健康管理に通うという位置付けで歯科の定期検診をお受け頂くのが理想的なあり方だと思います。