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狭山市の歯医者 あおば歯科│できるだけ歯を残す安心な歯科治療
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CT,レントゲンの被ばく線量って大丈夫なんでしょうか?

あおば歯科クリニックの院長の昆です。

院長先生

歯科医院ではレントゲンを撮らない日はないというぐらい毎日撮影が行われています。東京電力の原発事故の影響でしょうか、患者様の中にはレントゲン撮影を拒否される方もいらっしゃいます。今日はなぜ歯医者さんでレントゲン撮影が必要なのかをお話ししてみたいと思います。

歯医者さんでレントゲンは必要なの?

あおば歯科クリニックをオープンして14年が経ちました。オープンするときにレントゲン機器を選択しなければなりませんでした。歯科は硬組織を扱う医療分野ですから、レントゲンがないと診断できないんです。虫歯がどのくらいの深さまで進行しているかとか、歯周病でどのくらい歯槽骨が溶けているかとか、根充材がきちんと根尖まで到達しているかとか、レントゲンがないと夜道をヘッドライトなしに走る車のように危ないのです。

下のレントゲンは親知らずが横向きになっていて、それが原因で手前の第二大臼歯が大きな虫歯になっているのがわかります。レントゲンがなければこれらの情報は推理しなければ判断できないでしょう。

親知らず

正しい診断に基づいた治療をするためにはレントゲンなしには責任ある治療はほぼできないと断言できます。ですから歯科とレントゲンは切っても切れない関係があるのです。ただしむやみやたらとレントゲンを撮影することは被ばく線量の問題もあり、厳に慎まなければなりません。それでもやはり正確な診断に基づいた治療を心がけようとすれば、レントゲンは必須です。

デジタルレントゲンって今までのレントゲンと何が違うの?

ちょうどオープン当時、それまでアナログで現像液につけて行っていたフィルムからデジタルへの移行が始まりかけていたころでした。カメラで言えば、デジタルレントゲンはデジカメということですね。今の若い方はわからないと思いますが、昔、写真と言えば現像、定着を行うフィルムだったんです。歯科のレントゲンも同様でした。病院の中でレントゲンを撮影すると一枚一枚スタッフが現像して、乾燥してから患者様に説明をしていたんです。ですからあおば歯科クリニックをオープンする際に従来のアナログにするかデジタルにするか迷いました。というのはデジタルのほうがアナログに比べて圧倒的に被ばく線量が少ないのです。デンタルと言って歯の最小単位で撮影するフィルムの場合、デジタルはアナログの10分の一の被ばく線量しかないのです。つまりアナログ一枚でデジタル10枚取っても同じ被ばく線量ということなんです。また撮影したらほぼその場で画像が確認できます。しかも現像液などの廃液を出さずに済み、環境にも優しいのです。こんないいことづくめのデジタルレントゲンなのですが、唯一欠点があります。値段が高い!!のです。 アナログに比べて約2倍もするのです。ですが患者様の被ばく線量のことを考えたら、デジタルを導入するのが良いわけです。

歯内療法室(しないりょうほうしつ)って何ですか?

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上の写真はあおば歯科クリニックの歯内療法室です。壁が鉛で覆われている完全個室です。患者様の移動をすることなく治療台に座ったままレントゲン撮影が可能な画期的な治療室です。

実はあおば歯科クリニックにはレントゲン室が二つあります。普通一件の歯科医院には一つのレントゲン室しかありません。あおば歯科クリニックでは根管治療を最重要視しています。ですから歯の根の治療をする際に、手術室のような隔離された部屋を用意しています。この歯の根の治療をする専門の部屋のことを歯内療法室(しないりょうほうしつ)と言います。この部屋の壁はレントゲン室と同じ鉛で覆われた壁になっています。なぜレントゲン室と同じ作りになっているかというと、患者様が移動している間に唾液などが根管内に侵入して感染しないように、その場でレントゲンが撮影できるようにするためなのです。ですからそれだけでもレントゲン機器が増えて、その分費用がかさみます。ただでさえ高いデジタルなのにどうしようか迷いました。しかし、患者様にとって利益があるものならば導入しようと決めてデジタルレントゲンを導入したのです。

CTレントゲンは必要ですか?

CTについてはオープン当時狭山市でも導入している医院が数件だけだったように記憶しています。当時も今もCTを導入する医院は主にインプラントを施術する際の診断でCTを使用しています。しかしあおば歯科クリニックではインプラントを一切行っていないのでCTにはほとんど興味がありませんでした。ですが根管治療にCTの診断が有効だということがわかるようになり、あおば歯科クリニックでもCTを導入しよう計画を始めました。ところがCTは被ばく線量が高いのです。本当かどうか真意はわかりませんが、被ばく線量が高いので一か月に一枚しか撮ってはいけないなどという話も聞いたことがあります。実は根管治療は歯根の形態や根管の数などを診断するために比較的多くのレントゲン撮影が必要になります。どんなに優れた診断ができる機器だとしても、被ばく線量が高ければ複数枚撮影が必要な根管治療には役に立ちません。それでCT導入に二の足を踏んでいたのです。

妊婦さんとお子さんに優しいCT

そんな時株式会社ヨシダから夢のようなCTが発売されました。それがOP300でした。

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販売会社のパンフレットには妊婦さんとお子様に優しいCTのうたい文句が載っていました。それを見た瞬間これだと思い、すぐに上野にある展示場に行き、実物を見て説明を聞き、さらに他社のCTも数台調べた結果、根管治療に一番適しているのはこのOP300だと確信しました。通常のCTの5分の一の被ばく線量でCT撮影ができるのです。すぐにでもこのOP300で診断をしたいと思いました。しかし、問題はその値段でした。

 CTの値段

最近のCTは値段が下がってきていることもあり、狭山市でも導入されている医院が増えてきているようです。しかし一番安い機種でも600万円ぐらいするのです。普通のクラスでも900万円ぐらいします。中古のマンションが購入できてしまうのです。ところがこのOP300は1500万円もします。600万円の安い(それでも十分高いのですが)CTを購入するか、普通のクラスの900万円ぐらいの機種にするか。それとも被ばく線量の低い1500万円もするOP300にするか。迷いはありませんでした。あおば歯科クリニックの目的は単にCT撮影できれば良いというものではありません。根管治療に使用出来て、複数枚撮影できるような妊婦さんやお子様のような患者様の体に優しいCTを探していたのです。そう考えたら値段ではない。ベンツやBMWのような高級外車に乗りたいわけでもないし、豪邸に住みたいわけでもない。ならば料金は何とかなる と考え、OP300を購入することを決断しました。

CT撮影の有効性

 

その結果は根管治療だけでなく、小学生の含歯性のう胞の摘出手術であったり、埋伏歯の牽引などの診断にも大いに役立ってくれています。被ばく線量が低いことで親御さんの理解も得やすいですし、何よりも歯科医師として自分自身が安心できるのです。CTは毎日の診療で使うものなので、この安心感は何物にも代えがたいですね。普通のCTに比べれば値段は高かったですが、OP300にしてよかったと思います。