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あおば歯科クリニック 歯周病 その7 歯周病の薬物療法

こんにちは!*

八木

 

あおば歯科クリニックの歯科衛生士の八木麻耶(やぎ まや)です(*^^*)!!

だんだんと日が短くなって来て、寒い季節になりましたが、皆さんいかがお過ごしでしょうか?*

風邪などひかぬようにご自愛ください。

さてさて本題ですが、今回のblogは「歯周病の薬物療法」について書きたいと思います!!
「歯周病の薬物療法」とは、言い換えれば薬を使った歯周病の治療法ですが、薬の力だけでは歯周病を治す事は出来ないという事を忘れないで下さい(*_*)

過去のblogにある様に、適切な歯磨き習慣を身につける事や、専門的に歯周組織に付着沈着した感染源を取り除く治療がまずは第1になります!!
薬はこれらの治療の効果を高めるための補助として用いられます。

歯周病の治療に薬を使用する主な目的は2つあります。

1.歯周病の原因菌を抑制するため
2.歯周病における生体反応を変化させるため

少し難しいので簡単に言い換えると

1.歯周病菌の働きを抑えるため
2.歯周病の炎症に対する体の反応を変化させるため

となります

※病気に対する体の反応を変えると言われてもピンとこない方も多いと思います(*_*)
例えであげるなら臓器移植などをした際に免疫機能が過剰に反応しないように薬で免疫を抑制したり、
アレルギーのように特定の植物や食物などに対して免疫が過剰に反応するのを抑えたりする事がこれにあてはまります!

では歯周病治療においてどの様に、またどんな薬が使用されているのかをこれから解説していきたいと思います!!

①歯周病菌を抑制する目的で使われる抗生物質や抗菌剤。

これらの薬剤はうがい薬や軟膏のように局所的に使われる場合もありますし、内服という形で全身投与される場合があります。

最初に全身投与のケースについて説明していきたいと思います。
大抵の歯周病は、ペリオドンタルデブライトメント( 歯周ポケット内の感染源を専門的な器具を使って物理的に除菌する治療 )をする事で回復させる事ができます。
ところが中には若年性歯周炎・難治性の成人性歯周炎などのように症状が重く、物理的な治療だけでは歯周病菌を十分に除菌する事が出来ないケースがあります。
この様なケースには内服による薬物療法が効果を発揮します!
歯周病菌はプラーク(歯垢)の中だけでなく、口腔粘膜の表面や歯槽骨(歯を支えている顎の骨)の中にも存在している場合があり、抗生物質を服用する事でそれらの歯周病菌の増加や働きを抑制する事が出来るのです。
続いて、薬を局所的に使用する方法について説明したいと思います。

含嗽剤( うがい薬 )や軟膏が局所使用の薬に分類されます。

患者さんからもよく質問を受ける、含嗽剤( うがい薬 )はどの様な効果を発揮するのかという点にまず触れたいと思います!

まず、含嗽剤で最も効果があるとして使われている成分はchlorhexidine ( クロルヘキシジン )ですが、クロルヘキシジンには細菌の歯面への付着を妨げる効果があると言われています。
歯周病治療の際にクロルヘキシジンの消毒液で歯周ポケットの中を洗浄したりしますが、市販でもクロルヘキシジンを配合した含嗽剤や歯磨きジェルなどが販売されています。

またessential oil( 精油 )も含嗽剤として使用されています。
essential oilが使われている含嗽剤の代表はListerine(リステリン)です。
essential oilには細菌の細胞膜を破壊したり、細菌の酵素活動を抑制することによる殺菌効果があると言われています。
次に軟膏ですが、歯周病の治療の際にシリンジを使って歯周ポケット内に軟膏を入れて使用したりします。
代表的なのはtetracycline( テトラサイクリン )やmetronidazole ( メトロニダゾル )などの抗生物質があります。
②歯周病に対する生体反応を変えるために使われる非ステロイド抗炎症剤、テトラサイクリン、ビスホスフォネート( 骨粗鬆症治療薬 )。

これらの薬を使って歯周組織の破壊を阻止・抑制させようとする治療法をhost modulatory therapy ( HMT )と呼びます。

歯周ポケット内の歯周病菌やその産生物によって、macrophage( マクロファージ )や炎症を起こしている部位に存在するその他の細胞が活性化されると、prostaglandin ( プロスタグランジン )などの化学伝達因子が大量に生産されます。
その中のprostaglandinのE型であるprostaglandin-E 2 ( PGE2 )は、歯を支えている歯槽骨の吸収に関与する重要な刺激物質となります。
その他、活性化されたmacrophageや歯周ポケット壁中のその他の細胞はmetal-loproteinaseと呼ばれる酵素を産出しますが、これらは歯周靭帯や歯肉組織の破壊に関与すると言われています。

この様な歯周病の炎症に対する反応を薬によってコントロールするというわけです。

そんな治療法の研究は1970年代から行われていたというので驚きです!!

さてさて、難しい内容になってしまいましたが、 歯周病における薬物療法について少しでもお分り頂けたでしょうか(*_*)??

歯周病は歯を失う原因のNo. 1です!

1人でも多くの患者さんを、1本でも多くの歯を歯周病から救うべく、あおば歯科クリニックは今後も歯周病の治療に力を尽くして行きたいと思っております!!

皆様のご来院お待ちしております(*^^*)!*