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根管治療について 歯ぐきが腫れて痛い その6

こんにちは! あおば歯科クリニックの院長昆敏明です。

本日も根管外異物(コンカンガイイブツ)についてお話していきます。そんなに根の先から飛び出しているケースがあるんですか?と患者さんから聞かれます。はい。多いです。私共あおば歯科クリニックに来院される患者さんは他の患者さんのご紹介が非常に多いです。なので他で治らない、他で抜歯と言われた患者さんが評判を聞いて集まっていると思います。そんなこともあり私共あおば歯科クリニックで根管外異物(コンカンガイイブツ)のケースを多く扱っている可能性はあります。それにしても多いですね。

さて本日は、上の前歯が腫れて我慢していたら、痛みは引いたがおできができた。かかりつけに相談したがどうしようもないと言われたので来院された30代の男性Nさんのケースをご紹介します。

その前に私の実体験の続きをお話しします。

埃をかぶった50代の歯科医師のところで神経を取ったけれども、治療後具合が良くなかったので、転院して若い先生に診てもらうことになった ところまでお話ししました。

転院した先の30代の先生のところでレントゲンを撮影し、口の中を診察した後、「レントゲンでは問題が無いようです。かみ合わせに問題があるかもしれません。本日はお口の模型をとってかみ合わせを調べます」と言われました。後日再び尋ねると、診療台の横に私の口の模型が出来上がっていました。自分の口を外から見れる経験はそうそうあるものではありません。なので初めて自分の口の中を外から見た時の驚きはすごいものがありました。この先生なら治してくれる、そう期待させるものがありました。かみ合わせに問題があるらしいという事で、一度冠をはずして、もう一度新しくかたどりをしました。治るかなという期待があったのですが、新しい冠を装着しても、何も変化はありませんでした。咬み合わせると違和感が残ったままでした。若くて有能そうな歯科医師に出会えたと期待していただけにちょっとがっかりしました。咬み合わせに問題があるというのも本能的に本当かなという思いもありました。

そこで今度は母親にどこか良い歯医者はないかと相談したところ、母親のかかりつけの歯医者が良いということで、そちらに受診することにしました。そのころには何となく歯の根っこがおかしいのではないかと感じ始めていました。ですから問診の際に、「歯の根っこがおかしい気がするので、根をよく見てください」と担当の歯科医師に伝えました。担当してくれた歯科医は30代の男性の歯科医でした。今度はきちんと根っこを見てもらえると期待が膨らみました。

この続きは後日お話しますね。

Nさんのケースです。お口を拝見しました。確かに左上2番の根尖付近にフィステルができていました。すぐにレントゲン写真を撮りました。

左上2番の根尖からガッタパーチャポイントが突き抜けています。

赤矢印の部分です。さらに隣の左上1番の根尖もよく見ると透過像があります。黄色矢印部分です。Nさんの自覚症状は一切ありませんが、こちらもご説明して、治療することになりました。

左上2番の透過像は遠心方向に広がっていて、病巣は大豆ぐらいの大きさはありそうです。

赤で囲った部分が左上2番の病巣、黄色で囲った部分が1番の病巣です。早速保存治療を試みました。左上2番は幸い、外科手術をすることなく突き出ているガッタパーチャポイントを除去することが出来ました。

ガッタパーチャポイントがきれいに除去されているのが分かります。

赤矢印の部分です。突き出ていたガッタパーチャポイントを外科手術をすることなく除去することが出来ました。

根管長(コンカンチョウ)を確認するためにファイルを挿入してレントゲン写真を撮影しています。この後、根管充填(コンカンジュウテン)を行いました。フィステルもすでに消失しています。さらに左上1番の根管治療も行いました。

治療してから10年後のレントゲン写真です。

どちらも治癒しているのが分かります。根尖にあった透過像が消失しています。骨が再生したという事です。

黄色矢印が左上1番の根尖、赤矢印が2番の根尖です。現在も何事もなくお食事ができています。Nさん、治って本当に良かったですね。