がま腫(がましゅ) お口の粘膜の病気 その3
2016/07/09
こんにちは!あおば歯科クリニックの院長 昆敏明です。
舌の下が大きく腫れてくる病気があります。
ベロの下が大きく腫れてくるために、ベロが大きく上に持ち上げられて、ご飯が食べられません。
話をするのも不自由になります。
痛みはそれほどないのですが、とにかく物事に集中できない。
当たり前ですよね、ベロの下に大きなおできができるんですからね。
これが がま腫 です。
原因は舌の下にある舌下腺が原因でだ液がたまって腫れてくる病気です。
粘液嚢胞のベロ下バージョンみたいな感じでしょうか。
実際のケースを見てみましょう。
がま腫 です。
ベロの下に大きな黄身の卵のようなものがありますね。
高校一年生の女の子です。
やはり紹介患者様でした。
二回切開をして内容物を出したものの、二~三日後にまた大きく膨らむということで来院されました。
がま腫の根治療法は原因となっている舌下腺ないしは顎下腺を摘出することです。
しかし
唾液腺を摘出するということは唾液を産生できなくなるということでもありますから、出来るだけそのような手術は避けられるのであれば避けたいです。
腺体を摘出しない手術法として、開窓手術があります。
この女の子のケースも開窓手術を行いました。
ただ切開しても傷口が治るとまた内容物が貯留してしまうのです。
これは粘液嚢胞でも同じです。
傷口が塞がらないように嚢胞辺縁を篝縫いして閉鎖しないようにします。
この女の子は陸上短距離の選手で一か月後インターハイに出場する予定でした。
しかしお口の中にあんな大きなおできができていたら集中して走ることなどできません。
手術当日父親母親共にお嬢様に付き添って来院されました。
つづく