繊維腫(せんいしゅ) お口の粘膜の病気 その9
こんにちは!あおば歯科クリニックの院長昆敏明です。
粘膜疾患(ねんまくしっかん)もう少し続けます。
今日は繊維腫(せんいしゅ)です。
写真を見てください。
大学生の男の子です。
ベロの横におできができたということで来院されました。
半球状の表面がつやつやした腫瘤(しゅりゅう)がありますね。
繊維腫(せんいしゅ)です。
粘液嚢胞(ねんえきのうほう)と同じようにも見えますが、粘液嚢胞(ねんえきのうほう)は中身は唾液成分が貯留していますので、中身は液体です。
それに対して、繊維腫(せんいしゅ)は中身は液体ではなくて充実性です。
充実性というのは要するに、中身もお肉が詰まってますよ ということです。
ですから触診した時の感覚が粘液嚢胞(ねんえきのうほう)と繊維腫(せんいしゅ)では違うわけです。
繊維腫(せんいしゅ)は充実性で中身もお肉ですから触診すると固いです。
それにたいして、粘液嚢胞(ねんえきのうほう)は中身が液体ですから、触診すると柔らかいです。
ただこれも100%正しく鑑別診断できるかというと粘液嚢胞(ねんえきのうほう)だと診断して切除したら、繊維腫(せんいしゅ)だったということもあります。
特に粘液嚢胞(ねんえきのうほう)でなかなか受診せず、同じところを何回も噛んだりした場合などは硬結(こうけつ)してきて繊維腫(せんいしゅ)と鑑別診断してしまうようなこともあります。
切除手術後です。
本人の希望もあり、一応病理検査に出しました。
結果は繊維腫(せんいしゅ)でした。
Mくん、ベロの不快感がなくなってよかったね。
患者様から質問が来ております。
病理検査を歯医者さんでもやってくれるのですか?
というご質問です。
はい。
普通に検査できますよ。保険も効きます。
ただし、保険適用で検査料金が約1800円かかります。
ですから明らかに良性腫瘍と思われるものについては患者様と相談してから病理検査しています。
必ず病理検査するというわけではありません。
ただ私がこれは良性と診断してもやはり病理検査で良性とわかるとみなさん改めてホッとされますね。
病理検査のお話はこの次詳しくしたいと思います。
つづく