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含歯性嚢胞(がんしせいのうほう) お口の良性腫瘍 その5

2016/08/28

こんにちは! あおば歯科クリニックの院長昆敏明です。

 

含歯性嚢胞(がんしせいのうほう)の続きです。

含歯性嚢胞(がんしせいのうほう)と似た歯原性嚢胞(しげんせいのうほう)萌出性嚢胞(ほうしゅつせいのうほう)があります。

これは乳歯の歯嚢(しのう)がそのまま残ったものです。

萌出性嚢胞(ほうしゅつせいのうほう)になると乳歯が萌出してきません。

なんとなく盛り上がってはいるものの、生えてこない。

こんな時もいたずらに様子を見るのではなく、開窓(かいそう)してあげたほうが良いことがあります。

 

 

1

 

 

 

40代の男性です。

左目の下(左眼下)が突然腫れてきました。

お口を見ると左上第二小臼歯の根尖部が大きく腫脹しています。

第一小臼歯の含歯性嚢胞(がんしせいのうほう)と思われる埋伏歯があります。

嚢胞(のうほう)が第二小臼歯の根尖部を侵しているように見えます。

第二小臼歯の歯髄はすでに壊死(えし)を起こして感染していました。

 

 

2

 

 

第二小臼歯の直下に第一小臼歯がありますね。

感染を起こした第二小臼歯を保存すべく、感染根管治療(かんせんこんかんちりょう)を行いました。

その後、嚢胞(のうほう)と埋伏歯の摘出手術を行いました。

 

 

 

3

 

摘出手術後です。

第一小臼歯がもうありませんね。

第二小臼歯も根っこの治療が終わり薬が入っていますね。

白く映っているのが薬です。

 

 

4

 

 

手術はちょっと大変でした。

最初、頬側(きょうそく)からアプローチしたのですが、歯冠が口蓋側(こうがいそく)を向いており、改めて、口蓋側(こうがいそく)からアプローチして摘出手術を行いました。

当時、CTがあればもっと正確に診断ができたと思われます。

まだCTが普及していなかった頃の手術でした。

Kさん、あんなに腫れていたのが治って本当によかったですね。

歯も抜かずに済んで本当によかったです。

 

 

つづく