粘液嚢胞(ねんえきのうほう) お口の粘膜の病気 その1
こんにちは!あおば歯科クリニック 院長の昆敏明です。
今日から口腔粘膜疾患についてお話していこうと思います。
いきなり難しくなってしまいました。
こうくうねんまくしっかん
簡単に言うとお口の歯ぐきや唇、舌にできる様々な病気のことを総称して 口腔粘膜疾患こうくうねんまくしっかん というのです。
こんな病気も歯科医が扱うの というような病気もあります。
比較的多くみられる一般的な粘膜疾患から見ていきましょう。
下唇におできのようなものがありますね。
この患者様、下唇に口内炎ができたと思い、川越にある総合病院の内科を受診したそうです。
口内炎と診断を受け、一ヶ月間口内炎の軟膏を塗ったそうですが治りませんでした。そこで狭山市のぎんなんクリニックさんに受診したところ当院を紹介されました。
当院での 診断は
粘液嚢胞
ねんえきのうほう
唾液腺の病気の一つです。お口の中はいつもだ液で湿潤しています。
だ液は様々な役目をしています。そのだ液を作っている工場がお口の中にあります。
この工場に大小あります。
三つ大きな工場があるのですが、これを 三大唾液腺 と呼んでいます。
耳下腺、舌下腺、顎下腺 の三つを三大唾液腺と呼びます。
それに対して、 唇、舌、頬粘膜などにあるだ液の工場を小唾液腺と呼びます。
今回の病気はこの小唾液腺に原因がありました。
唇や舌にある小唾液腺の導管が何かの原因でふさがってしまうとだ液の排出が困難になり、だ液が貯留して膨らんでしまうのです。
治療法はだ液を産生している小唾液腺ごと摘出してしまう手術が一般的です。
患者様に説明をし、手術を行いました。
手術方は大きく分けて二通りありますが、私の方法は可能な限り口唇の上皮を温存する方法です。
摘出した小唾液腺です。一つとは限りません。粘液嚢胞の直下にある小唾液腺はくまなく摘出します。
それが再発を防ぐ方法です。
手術直後です。
良かったですね。
治りました。
つづく