含歯性嚢胞(がんしせいのうほう) お口の良性腫瘍 その2
2016/08/20
こんにちは! あおば歯科クリニックの院長昆敏明です。
含歯性嚢胞(がんしせいのうほう)の続きです。
この歯冠を含んだ含歯性嚢胞(がんしせいのうほう)、好発部位(こうはつぶい)は下顎親知らず、上顎前歯部、下顎小臼歯部などに多いようです。
ただ基本的にその由来から、どの歯に発生してもおかしくはないので注意が必要です。
永久歯が含歯性嚢胞(がんしせいのうほう)になると正常な萌出をしないことが多く、乳歯がいつまでも抜けないということが起こります。
小学生高学年から中学生のお子さんで、乳歯がなかなか抜けないという相談を受け、レントゲン写真を撮影して発見されることも多いです。
乳歯が本来脱落すべき時期にもかかわらず残存しているようなケースでは含歯性嚢胞(がんしせいのうほう)を疑ってかかる必要があると思います。
過去に何度か、様子を見ましょうと言われた、というお子さんがもっと早く手を打っておけば、と思わせるケースに遭遇しています。
これに関しては、萌出性嚢胞(ほうしゅつせいのうほう)も同様です。
萌出性嚢胞(ほうしゅつせいのうほう)とは乳歯の含歯性嚢胞(がんしせいのうほう)のようなものです。
この場合は乳歯がいつまでたっても萌出しません。
いつまでも 「様子を見ましょう」 と言われているケースは要注意です。
では、あおば歯科クリニックの実際のケースを見ていきましょう。
中学校1年生の女の子です。
左下の乳歯だけいつまでも抜けない、永久歯が生えてこないということで来院されました。
左下の第二乳臼歯が残っていますね。
その下に第二小臼歯が埋伏しています。
その第二小臼歯の歯冠を包み込むように嚢胞(のうほう)があるのがはっきりわかります。
含歯性嚢胞(がんしせいのうほう)です。
つづく