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親知らず(おやしらず) 左下の親知らずが痛い その1

2016/05/10

「先週から左下の奥歯のほうが、しくしく痛いんです。」

昨日二十代の女性が申し訳なさそうに暗いお顔をして来院されました。

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こんにちは!狭山市のあおば歯科クリニックの院長昆 敏明です。

この方、実は半年前に右下奥歯が痛み出し、親知らずを抜いた患者様でした。写真を見てください。

右の上の親知らずはむし歯でほとんど崩壊しています。

右下の親知らずは横向きに埋まっています。

そのため一つ手前の第二大臼歯が全く磨けず、黒く虫歯になっているのが分かります。

親知らずが横向きに生えていたために、手前の歯との境目が磨くことができず、むし歯になっていました。

親知らずではなく、その手前の歯(第二大臼歯)のむし歯に痛みが出てきていたのです。

第二大臼歯のむし歯を治すためには、親知らずを抜かないときちんとした虫歯の治療は困難です。

仮に親知らずを抜かずに、第二大臼歯のむし歯を治せたとしても、親知らずのむし歯は進行していきますからいずれ親知らずも抜かなくてはいけません。

 

ところでこのような横向きで埋まっている親知らず、抜けるのでしょうか?

これ、実は抜けません。

歯を抜くときは、引っ張れば抜けるというイメージがあります。

しかしこのような横向きの親知らずは、摘出手術 と表現するのが正確なのです。

引っ張って抜こうにも手前には第二大臼歯があるので引っ張れません。

それにほとんど歯の頭の部分も見えていませんから、そもそもペンチのようなもの(専門用語で 鉗子カンシ と言います)でつかもうにもつかむことすらできません。

たとえて言うと、手や足の骨の中にちょっとした大きさの小石が埋まっていてそれを取り出す手術のような感じです。

それがお顔の骨の一番奥に埋まっているのですから取り出すのは専門的な知識と技術が必要です。

実は大学病院の口腔外科はこのような埋まっている親知らずを抜く専門の科なのです。

 

ちょっと怖い感じもすると思いますが実際、親知らずを摘出する時は、歯茎を切開し、あごの骨を削って取り出すのです。

ですから患者様が考えている以上に親知らずの抜歯は大変体に負担のかかる手術なのです。

この女性の患者様、半年前にも右下の親知らずが痛み出し、私が抜歯をさせていただきました。

その後手前の第二大臼歯のむし歯を治しました。

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次は左下ですね とお約束していたのですが、お仕事の都合もあり、来院が途絶えていました。

昨日は、その左下の親知らずの手前の歯が痛み出して来院されたのでした。

左下の第二大臼歯と横向きの親知らずとの境目に黒く虫歯になっているのが見えますね。

親知らずの手前の歯のむし歯の応急処置をして、痛みがぶり返さないようにして処置は完了しました。

次回は親知らずの抜歯(摘出手術)ですね。体調を整えていらしてください とお願いして終わりとなりました。

 

 

(つづく)