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あおば歯科クリニック 歯周病 その6 歯周病の手術(フラップオペ)

こんにちは、歯科衛生士の須藤です!

須藤

今回は私があおば歯科の歯周病講座の講師(?)を務めさせて頂きます。

よろしくお願い致します。

 

さて、今回お話するのは『歯周外科手術(ししゅう げか しゅじゅつ)』、歯周病を治すための手術についてです。フラップオペとも呼ばれている手術のことです。

 

歯周病治療をされている方はご存知かと思いますが、歯周病の治療には保険のルールで定められた手順があります。

 

ざっくりと言いますと、基本的には

『歯周ポケットの検査』→『プラークコントロール(歯磨き)の上達』→『スケーリング』→『歯周ポケットの再検査』→『SRPまたはP-Cur』→『歯周ポケットの再検査(治ったかを確認)』

といった感じです。

 

全体的に軽度から中等度くらいの歯周病の方ですと大体ここまでで治療が完了します。

 

しかし、中等度から重度の歯がある方ですとこれでは完治しない場合も多いです。

そんな時はどうしたら良いのか?というのが今回の講座の題材です。

 

実は先ほどの手順の最後の歯周病が治ったかを確認する『歯周ポケットの再検査』の後にはまだ続きがあるのです。

検査をして、治りきれていなかった方はその先に進むことになります。

 

それは『手術』です。

歯周病を治すための最終手段です。

 

通常、私たち歯科衛生士は歯周病を治すために、

患者さんの歯茎に麻酔をかけて歯周ポケットの中の歯石を取り、病気に負けてしまった歯茎の一部を取り除いて歯茎を元気にし、歯茎がくっつきやすいように歯の表面をツルツルに仕上げる処置をしています。

 

このとき、ポケットのなかを肉眼で見ることは出来ないので指先の感覚を研ぎ澄ませて行っています。

ですが、目で見えないポケットの中の歯石を通常すべて取り切るのは、どんなベテランの歯科医師や歯科衛生士でも難しいです。実際ポケットの深さが6ミリ以上になると40%から50%ぐらいしか取れていないというデータもあります

そのため、ポケットが深い方だと100%取りきることは通常出来ません。

また器具の形や歯の形、並び方の問題で物理的に取れないこともあります。

また、歯周病による骨の溶け方によっても良い結果が出ない場合もあります。

当院では歯石が取りきれないことよりもこちらのケースの方が多いです。

というのも、ポケットが深くても熟練した歯科医師、歯科衛生士ならばとれるはずという院長先生の信念に基づいてみんな真剣に患者様の歯周病を治そうと日々鍛錬しているからです。

それでも重度の歯周病の方は、治癒には限界があります。そういった時に『手術』を行っています。

 

歯周病の手術には沢山の種類があります。

しかし、全てを紹介しますと難しい上に長くなってしまうので、当院で主に行っている手術についてお話させていただきたいと思います。

 

当院では通常『Apically Positioned Flap Procedure(APF)』日本語で『フラップ根尖方向移動手術(こんせんほうこう いどうしゅじゅつ)』という手術法を行っています。

 

名前を解説するとすれば「歯ぐき(フラップ)を歯の根元(根尖、根っこの先)の方にくっつける = ポケットを浅くする手術」といった感じでしょうか。

 

 

この手術は

・ポケットを切除すること

・歯周病に感染し負けてしまった部分を取り除くこと

・歯を支える骨と歯ぐきの形をぴったりと合わせること

・不規則に溶けてしまった、歯を支える骨の形を綺麗に整えること

を目的としています。

 

 

内容を簡単に説明させていただきますが、少し怖いかもしれませんので、苦手な方はご注意下さい。

 

・歯ぐきをメスで切り、歯の根元と歯を支える骨(歯槽骨といいます)から剥がして全貌がよく見える状態にします

・見えるようになったところで前述の処置で取り切れなかった歯の汚れを取り除き、歯をツルツルにします

・歯周病に侵され、歯にくっつく役割を果たせなくなった歯ぐき(皮膚で言うと垢みたいなもの)を切除し、隠れていた元気な歯茎を出してあげます

・歯槽骨の形を確認し、歪な部分や手術の予後に悪影響を及ぼしそうな部分を削り、綺麗に整えます(この時、骨の欠損の状態をよく観察し、骨壁の残存状態が何壁性なのかを確認します。よく手術中に院長先生が、これは何壁性の骨欠損かという質問をします。私たち歯科衛生士は学校で学んではいるものの実際に見ることはないので最初は全く分からないのですが、今はわかるようになってきました。特に3壁性の骨欠損は骨が再生する可能性が非常に高いです。)

・全てが終わったら剥がしていた歯ぐきを元の位置に戻し、綺麗に縫い合わせます

・傷口の保護のために歯周包帯(パックといいます)をつけて終了

 

以上が手術の流れです。

文字に起こしてみるとなんだか少し怖いような・・・?

 

 

こうすることで歯と歯ぐきの結びつきを邪魔するものがなくなり、お互いがぴったりとくっついて歯周ポケットが改善されるのです。

 

ただポケットが浅くなると同時に、名前の通り歯ぐきが根元に向かって下がるので前よりも歯が長くなったように見えることがあります。

これを悪く捉える方もいらっしゃいますが、それが本来の歯の姿、正しい状態ですので心配ありません。

 

また、いままで腫れた歯ぐきで隠されていた歯の一部がお外に出るので一時的に知覚過敏の症状が出る場合もあります。

お布団を剥がされたときに一瞬寒いと感じるのと同じようなものですね。

ですが、この症状は段々と落ち着いていきます。

落ち着かない、気になる、という時はしみるのを止めるためのお薬を付けるなどして対応することも出来ますのでご安心ください。

 

 

実は、フラップ手術は当院では珍しい手術ではありません。

週に1、2回程度行われています。

 

手術と聞くと尻込みしてしまう方も沢山いらっしゃるのですが、実際にやってみると「思っていたより怖くなかった、痛くなかった」という感想を頂くことも多々あります。

重症な方ですと歯を何本かずつのブロックに分けて数回手術を行っています。

回を重ねるごとに手術に慣れてきて「もう全然大丈夫、怖くないよ」と仰る方もいるほどです。

 

せっかく歯周病を治すために頑張ってきたのに、手術をすれば治るのに手術を受けずに辞めてしまうというのはとても勿体ないことだと思います。

歯周病は治せる病気です。それなので是非とも治していただきたいと思っています。

 

 

とはいっても手術というのは先にも申し上げましたが治療の最終手段です。

できればそこまでいかないで治していけたらいいなと思います。

歯周病になる前に防ぐ、もしなってしまったとしたら重症化する前に治すということが大切です。

 

歯周病かも?と心当たりのある方、歯でお困りの方は是非当院にいらしてください。

スタッフ一同、全力で対応いたします。

 

歯周病を防ぎたい方、治療を終え再発を防ぎたい方は是非定期検診にしっかりといらしてください。

定期検診の有無で発症・再発率は大きく変わってきます。

 

スタッフ一同心よりお待ちしております。

 

 

それでは今回はこのあたりで失礼させていただきます。

長くなってしまいましたが、お読みいただきましてありがとうございました!