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狭山市 あおば歯科クリニック 歯周病について 第二回目

こんにちは!歯科衛生士の剣持です。

歯周病第二回は私、剣持が担当させていただきます。

剣持はっぴぃあおば(あおば新聞)でもお知らせしましたが、この度地元の飯能市から転居することになりました。大変残念ですがあおば歯科クリニックへの通勤が困難となりました。歯周病を担当していた患者様には大変ご迷惑をおかけしますが何卒よろしくお願いいたします。私の代わりの歯科衛生士が新しく担当することになりますので歯周病治療は引き続き責任をもって行ってまいりますのでご安心ください。

さて、皆さん歯周病の原因を知っていますか?

最近まで歯周病の原因は、物理的な刺激や歯石、食片嵌入(ショクヘンカンニュウ)、食餌(ショクジ)、咬合性外傷(コウゴウセイガイショウ)などが上げれらていました。

ですが、実際は『プラーク』(歯垢 しこう)が原因だったのです。

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プラークというのは歯に着く汚れの事で、微生物の集まりなのです。人間の口腔内には700種類を超える微生物が存在します。

その中で歯周病の原因になると考えられている細菌は約10種類います。歯周病の主な細菌の名前をあげてみます。

『Porphyromomas gingivalis』(ポルフィノモナス・ジンジバリス)

『Prevotella intermedia』(プレボテーラ・インターメディア)

『Bacteroides forsythus』(バクテロイデス・フォーサイシス)

『Treponema denticola』(トレポネーマ・デンティコーラ)

と言う名前です。難しいですね。

実は私たち歯科衛生士は3年間歯科衛生士学校で勉強した後国家試験を受けて、合格して晴れて歯科衛生士となれるのですが、これら歯周病菌の名前が国家試験にも出題されます。ですから必死でこの難しい覚えにくい単語を覚えるのです。

話が横道にそれました。この微生物たちが歯周ポケットの所で毒素を出し悪さをしているのです。

またあおば歯科で行っている位相差顕微鏡の検査で出てくる『スピロヘータ』もその1種です。

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最初に原因は『プラーク』と言いましたが、このプラークの蓄積量を増加させてしまう原因もあるのです。

まずは『歯石』です。皆さん聞いた事があると思うのですが、この歯石はプラーク=細菌の死骸なのです。歯石の表面はザラザラとしていて、そこにプラークが付着しやすいのです。

実は歯石は歯周病の原因ではありません。歯医者さんに行くと必ず歯石をとりますよね。これは歯石を住処にしてそこに無数の歯周病菌が潜んでいます。そこから毒素を出し続けています。ですから歯石をとる、イコール歯周病菌を取るということになるわけです。歯石そのものが悪さをしているわけではないのですね。

 

次に『う蝕』(虫歯)です。歯肉(歯茎)に近い所の歯が虫歯で欠けてしまったり、穴が空いてしまった所にプラークが蓄積しやすくなってしまうのです。当然そこは歯周病菌にとっても絶好の住処となります。

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次に『不適合な修復物・補綴物』です。いわゆる、詰め物や、被せ物の事です。歯と歯茎の境目の所が合っていなかったり、段差があるとその段差部分にプラークが蓄積されやすいです。そのような場所も歯周病菌の生息しやすい環境を提供してしまいます。

実は細菌は酸素があるところで生息できる好気性菌と酸素があるところでは生息できない嫌気性菌に大別できます。歯周病菌は嫌気性菌の仲間なのです。ですから空気が届きにくい歯周ポケットの奥深くや磨きにくい歯と歯の間(隣接面、リンセツメン)に潜んでいるのです。

次に『口呼吸』です。口呼吸をしていると口の中が乾燥状態に陥り、自浄作用が低下しプラークの蓄積量が増加します。このことも歯周病を進行させる要因と考えられています。

また『咬合異常・歯列不正』も歯周病を悪化させる要因の一つになることがあります。咬合異常や歯列不正があると、自浄作用が低下し、またプラークコントロール(プラークを除去する事)が困難となる場合が多いためです。

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また、深い歯周ポケットは、歯ブラシなどの口腔清掃用具がポケット底部まで到達しずらいため、清掃効果が及ばず、プラークが停滞しやすい状態に陥ってしまいます。

特に根分岐部(コンブンキブ)といって大臼歯の根と根の間はその形態学上プラークが堆積しやすいのです。複根歯の根分岐部は歯と歯肉の形態が複雑であることから、歯周病が根分岐部まで進行するとプラークが停滞しやすくなるのです。

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さらに歯にはいろいろな形態異常が発生することがあります。口蓋裂溝、根面溝、エナメル真珠、エナメル突起、斜切痕などという歯の形態異常はプラークが蓄積しやすくなり歯周病を悪化させる一要因となることが知られています。

今までお話してきたものは『局所性修飾因子』というもので、これから『全身性修飾因子』についてお話します。

『全身性修飾因子』というのは、すべての人において歯周病が同じように進行するとは限らなくて、歯周病の進行には個人差があり、先天的因子や後天的因子などの修飾因子によって影響をうけます。

まずは『先天的因子』です。「遺伝性疾患」や「代謝疾患」「血液疾患」などが影響を及ぼすことがわかっています。

次に『後天的因子』です。「喫煙」や「糖尿病」「ストレス」「後天性免疫不全症候群」「栄養障害」「骨粗鬆症」などが影響を及ぼします。その中で特に影響があるのが「喫煙」と「糖尿病」です。

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「喫煙」は歯周病の発症と進行に最も大きな影響を及ぼし、微小血管が収縮して血行障害を起こし、プラークなど病原因子の影響を受けやすくなるのです。また非喫煙者に比べて、歯周外科治療後などの創傷治癒能力が劣ることも報告されています。

ですから、あおば歯科クリニックでは歯周病で喫煙をしている患者様には禁煙をするように説明をしています。あおば歯科クリニックでお渡ししている歯周病の説明書にも禁煙できない患者様は歯周病の治療をお断りすることがありますと明言してあります。

糖尿病」は、糖尿病に罹患した人は罹患していない人に比べて歯周病の発症率と重篤度が高いことが知られています。糖尿病に罹患している人は、全身的な代謝障害を起こしており、一般的に感染症に対する抵抗力が低下しています。そのため歯周病の発症、進行に関与し、また歯周治療後の治癒にも影響を及ぼしています。ですから糖尿病の患者様は歯周病治療と糖尿病治療の両方を行っていただく必要があります。

 

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このように歯周病の原因はプラークの中に潜む歯周病菌なのです。ですが個人個人、風邪に対する抵抗力が違うように、同じように歯周病菌に感染していても重症化する方としない方がいます。それは今まで述べてきたような様々な局所因子、全身因子によって発症・進行が決まってくるのです。