子供の歯(乳歯)、抜いたほうがいいのでしょうか?
こんにちは!あおば歯科クリニックの院長昆敏明です。
親知らずシリーズ第10弾のはずでしたが、予定変更。
昨日下の乳歯が抜けないのであおば歯科クリニックに来院した女の子のケースをご紹介します。
左下の乳歯がぐらぐらしているのですが、なかなか抜けてくれないそうです。
内側から永久歯が顔を出しています。
抜歯することをお勧めして、抜歯しました。
時間は2秒ぐらいでした。(麻酔の時間は除く)
内側の永久歯は前に出てくるのでしょうか ということを心配されていました。
少なくとも、乳歯が残っている限りは永久歯が前に出て来ることはない。
乳歯を抜いたうえで、永久歯が前に出て来るのを待ちましょう とご説明しました。
これからお見せするケースもすべてあおば歯科クリニックで私が担当したケースです。
幼稚園の女児の上の前歯の写真です。
丸が書いてある大きな歯が永久歯です。
三角が書いてある歯が乳歯です。
この時点では何も問題ありません。
ところが小学校二年生になってやってきたお口を見たら、大変なことになっていました。
なぜ放っておいたんですかとお聞きすると、
「ぐらぐらしていたのでいづれ抜けると思っていたら、いつまでも抜けず、気が付いたらこんな風になっていました・・・・・・・」
「なおるでしょうか?・・・・・・」
残念ながらここまでくると内側に入り込んだ永久歯が自然に前に出てくることはありません。
乳歯が残っていたために永久歯が前に出て来れず、裏側に生えています。
もう少し近づいて撮ってみました。永久歯が前に出て来れない様子がよくわかります。
乳歯を抜いた後に撮った写真です。大変なことになっているのがわかります。
下から見てみました。困りましたね。(鏡面像のため左右反対に写っています)
横から見てみましょう。
大事な永久歯が内側に入り込んでいる様子がよくわかります。
ご両親とよく相談して、矯正処置をすることになりました。
下の写真は半年後のものです。幸いきれいに並びました。
本来、乳歯がスムーズに抜けていれば矯正をする必要がなかったケースです。
実はこのようなケースが後を絶ちません。
あおば歯科クリニックでは乳歯を抜いたほうが良いかどうかの判断を次のように説明しています。
永久歯の生え変わりに伴う乳歯の脱落は生理的現象なのでぐらぐらしているからといって抜くようなことはありません。
乳歯がぐらぐらしていなくても永久歯が顔を出してきたときは、乳歯を抜かないといけません。
そうしないとこの女児のようになってしまうことがあるのです。
ただし、ぐらぐらしていて、ご飯を食べるときに痛いという場合は抜いてあげるようにしています。
別の女児です。
小学校一年生でした。
来院したときは、後ろに引っ込んでいる永久歯の前にやはり乳歯が残っていました。
乳歯を抜いた後に撮った写真です。
このお子さんもご両親とよく相談して、矯正をしました。
幸い元のきれいな状態に戻りました。
あおば歯科クリニックではこのような部分的な矯正を プチ矯正 とかそのまま 部分矯正と呼んでいます。
お口全体の歯並びを治す 全顎矯正(全体矯正)に対してこのような呼び方をしています。
次の写真もプチ矯正のお子さんです。
小学校2年生でした。
早く乳歯を抜いていれば と思ってしまうケースですね。
しっかり病院に通っていただいて、きれいになりました。
〇〇ちゃん、良かったですね。
これからは永久歯が顔を出しているのに、乳歯が抜けないときはすぐに病院に来てくださいね。
つづく
少しわかりにくいですが、黄色の部分が乳歯で赤の部分が永久歯です。実は26歳の女性です。成人です。お子さんではありません。奥に残っている乳歯が痛いということで来院されました。拝見すると下の第二乳臼歯が左右両方残っていました。その乳歯が虫歯になって痛みが出ていたのです。永久歯がまっすぐ生えてくることができず、内側に入り込んでいるのがわかります。そこに乳歯が残っていて永久歯が真っすぐ生えてこれなかったのです。すぐに残っていた乳歯を抜きました。しかし自然に永久歯が元の位置に戻るわけがありません。
なぜこのお歳になるまで乳歯を抜かなかったのか?歯科医師には適切なアドヴァイスをする責任があると思うのですが。
これではお食事できません。
横から見てみました。空間が開いているところに乳歯が残っていました。その乳歯も虫歯でボロボロでした。
矯正をして,幸い元の正常な位置に戻りました。お食事もできるようになりました。良かったですね。
永久歯が顔を出しているのに乳歯が抜けないときは歯医者さんで乳歯を抜いてもらいましょう。