あおば歯科クリニック 歯周病 その5 グレーシーキュレット
こんにちは!
歯科衛生士の岩間です!!
今日は、私岩間が、歯周病を治すために使う道具
キュレットスケーラーという器具の説明をさせていただきます。
前回先輩歯科衛生士の小林さんが、お口の中には細菌の塊であるプラークがあるというお話をさせていただきました。
このプラークというものは歯ブラシ、歯間ブラシ、フロスなどをしっかりと当てれば患者さん自身の毎日のお手入れで取り除く事ができます。
しかしこのプラークがお口の中で取り残されて時間が経つと、石灰化して硬くなり歯ブラシや歯根ブラシなどでは落とす事ができなくなります。この石灰化して固くなったものを歯石と呼んでいます。
定期的に歯医者に通っている方の歯石は比較的取りやすいのですが、何年も歯医者に来なかった方の歯石は、名前に石と付くだけあり、とっても硬くなっています。
また歯石には縁上歯石(えんじょうしせき)と縁下歯石(えんかしせき)というものに分けられます。どう分類するかというと歯茎の上にあるか下にあるかという事です。歯茎より上に付着している歯石を縁上歯石、歯茎より下に付着している歯石を縁下歯石と呼んでいます。
歯石を除去する事をスケーリングと呼びます。歯周病で歯周ポケットが深くなってしまっている患者さんは歯茎の中にまで歯石が入ってしまっています。歯茎の中に付いてしまった歯石を除去し、根面を滑沢にする事をルートプレーニングといいます。滑沢とは歯の根っこの表面をツルツルにする感じですね。歯の根っこは歯石だけではなく、歯周病菌が入り込んでしまった壊死セメント質に覆われています。この壊死セメント質を取ってツルツルにするわけです。
前回のお話の中にありましが歯石自体が悪さをするわけではないのですが、プラークの溜まり場、つまり歯周病菌の温床になってしまうので歯茎の中にある歯石をしっかりと除去しないことには歯周病は良くなりません。
さてここからが本題です。
この歯茎の下に入ってしまった歯石をどうやって取り除くのか?
主に私たち歯科衛生士が自分の手で取り除くキュレットスケーラーと超音波スケーラーといって機械の振動で取り除く二つの方法があります。
このキュレットスケーラーにはユニバーサルタイプと片刃のグレーシータイプがあります。あおば歯科クリニックではグレーシータイプのキュレットを使用しています。
理由は人の歯の根っこの形態は非常に複雑で、そこに歯石やプラークが付着しているのでそれを綺麗にしていくのは想像以上に歯の解剖学的な知識と技術が必要です。グレーシーのキュレットはその複雑な歯根の形態に合うように、刃部の形態があらかじめ設計されているからです。
一本のキュレットをに刃部が二か所ついています。すべての歯の形態に合わせるために、全部で7種類のキュレットスケーラーがあります。ですから刃の種類は全部で14種類あるということになります。
これらのスケーラーはその部分にぴったりと当たって歯石を取り除きやすい角度や形態になるように作られています。
あおば歯科クリニックで使っているものは
5-6 前歯及び小臼歯
7-8 臼歯の頬側及び舌側
11-12 臼歯近心面
13-14 臼歯遠心面
を使用しています。これだけでも8種類の刃があります。ですから、どの歯のどの部分に使用するのか、瞬時に分からないと治療になりません。学校でも実習をして勉強するのですが、実際の処置はとっても大変でした。
衛生士学校を卒業して、あおば歯科クリニックで働き始めるまで、歯石を取ることがこんなに大変だとは考えていませんでした。自分では一生懸命やっているのですが、ドクターやベテラン衛生士の方にチェックをしてもらうと取り残しがあることも度々です。
その他にも超音波スケーラーといって、1秒間に18.000~50.000サイクル振動をして歯石やポケット内の汚れを振動と水圧で取り除く機械も使います。
歯茎の上にある歯石は目視して確認する事ができると容易に想像できると思いますが、歯茎の中にある歯石はどうやって探知しているかみなさんは想像できるでしょうか?
実は私たちもほとんど歯茎のなかの歯石を目視する事ができません。手の感覚のみで歯石が、どこにどのようにして付いているのか、残らずにしっかりと取ることができて根面が滑沢になっているのかを確認しています。
ポケットが深いルートプレーニングをした時には、ドクターやベテラン歯科衛生士にしっかりと取れているかどうかを必ず確認して頂いています。
それだけ歯茎の中にある歯石を取る事はとっても大変なのを理解していただけると有り難いです。
このルートプレーニングというものをしっかりとできる歯科医院、歯科衛生士が少ないため歯周病は治らない病気と言われてしまう一因になってしまっているのかもしれません。
あおば歯科クリニックでは歯周病が治った患者さんがメンテナンス(定期健診)に多数通われています。
歯周病は私たち歯科衛生士と患者さんの二人三脚でないと治りません。歯周病の治療が済んだ患者さんは、メンテナンスを受けていただいて、歯周病の再発をぜひ防いでいただきたいですね。
おいしく食事がとれるのも、大きなお口で笑えるのもお口が健康になったからですものね。